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五つ星お米マイスターと語る お米と海苔のおはなし 【前編】| 隅田屋 片山真一さん

インタビュー

 

五つ星お米マイスターと語る お米と海苔のおはなし 【前編】
隅田屋 片山真一さん

 

㊁伊藤海苔店、四代目 信吾です。

お海苔と一緒に食べられる食材と聞かれた時、まず真っ先に思い浮かぶのが「お米」だと思います。

日本人の主食であるお米について・美味しいおむすびや海苔との相性について、もっと詳しく調べてみたいと思いまして、当店の創業地両国の地で明治時代からお米屋さんを営んでらっしゃる「隅田屋」片山真一 代表(五つ星お米マイスター)にお話を伺い、色々と教えていただきました。

 


 

伊藤信吾
信吾
本日はよろしくお願いいたします!
以前から道端などでお話させていただいたことはありましたが、きちんとこうやってお話させていただくのは初めてな気がします。ご機会いただきありがとうございます!


隅田屋商店 片山さん
片山さん
こちらこそ!
わざわざお越しいただきありがとうございます!

古式精米製法

 

伊藤
当店の御海苔を使っていただいている日本橋の「ANDON」さん、隅田屋さんの古式精米製法にてやられていると聞いたことがございまして、私も何度かおむすびをいただいたのですがしっかりと粒がたったお米で美味しかった記憶がございます。

片山
オーナーの武田君とは、ANDONをやる前からのお付き合いで、彼が東京でお米の販売をしたいという時から秋田の生産者が作ったお米を当店で精米しております。精米についてもっと知っていただきたくて秋田で精米したお米と当店の古式精米製法で精米したお米を食べ比べていただき、炊飯の仕方もお教えした上で今ももちろんお付き合いをさせていただいております。

伊藤
では実際にANDONさんのおむすびでコラボレーションさせていただいているということですね!古式精米製法、名前は噂で知っていたのですが、実際にどんな製法なのでしょうか?

片山
まずね、精米というのは玄米の皮を剥いて食べやすくする作業。白米にする作業のことです。これ誰がやっても同じだと思っている方が多いのですが、お米って剥いた直下に美味しい層が付いているので、できるだけ薄く皮を剥いて精米してあげたほうがお米っていうのは美味しくなるんですね。



精米機 木の柱に見えるのがお米の運搬機 緑色の機械で圧力をかけて精米する



精米機 調整はアナログで分銅を付けて重さをかけて精米の度合いを変える

伊藤
そうなんですね!

片山
だけど、一般工業精米機っていうのは効率を求めてその硬さ・大きさの玄米が入ってきても一番小さなものでも綺麗にたくさん精米できるようになるべく多くガリっと削ってしまうので”うまみ”の層が丸々取れちゃう精米をしていることが多いんですね。なんでうちはそれをしたくないので薄く薄く精米を何度か繰り返して”うまみ”の層を残すように丁寧に精米しているわけです。それを古式精米製法と呼んでいます。

伊藤
何度くらい精米を繰り返されているんですか?

片山
7回から10回、お米の状態を見ながら一番良いところで出来上がりとしています。大型の精米機との構造原理はあまり変わらないのですが、圧力と摩擦力がかかり温度が上がるため、お米本来の旨みを引き出すことができるのも古式精米製法の良いところです。白いほうがお米は美味しいと思うでしょう?真っ白のお米は精米しすぎな証拠。少し飴色がかったお米に仕上がるのがこだわりの精米方法です。



右から精米・七分精米・玄米 少しずつ色が違うのがわかる



精米されたお米は、貯蔵庫で寝かされてから出荷される

伊藤
そういうことですね。私は地元市川のお米屋さんが届けてくれていた精米したてのお米が美味しいと思っていましたけどやはり精米したてがポイントなんでしょうか?

片山
小さい家庭用などの精米機なども売ってますが、お米の状態も見ながら精米しなければいけないし、精米したてのお米をすぐに水を入れて炊飯すると炊き上がりのお米はボロボロになってしまいます。そのお米屋さんはお米のプロでしょう?精米の仕方がうまかったんじゃないかな?うちの場合は、精米してから1日置いてからご提供するようにしております。

伊藤
納得です!
お米はブレンドと伺いましたが、生産者さんから直接仕入れられているんですか?

片山
うちはね、トレーサビリティ(流通経路)がとても大切だと思っているからお米農家さんからは買わず、集荷業者から仕入れているのね。海苔もそうだと思うんですけど、とにかく”目利き”が大事。海苔もお米も生産者さんは自然と対峙していると思うけど、その年々で良い悪いという作柄が必ずあるから農家さんとは契約せず、自分が良いと思ったお米を玄米で仕入れて、最高の仕上がりになるようなブレンドでお作りしています。
ブレンド米っていうと、タイ米とかを混ぜた悪い「混ぜ物でしょ」っていうイメージが付いてしまっているような気がするけど、当店の場合は”隅田屋のブレンド”っていうブランドと信用を買っていただいていると思っています。



おしゃれなパッケージが目を引く吟撰隅田屋米 6合(900g)

 

伊藤
目利きはとても大事ですね。私も当店に関わるようになって代々承継してきた目利きについては親父の背中を見ながら自分で磨いたり、他の海苔問屋さんに教えてもらったりとにかく目利きの勉強をしてきました。
海苔の場合はブレンドが難しいので、生産地を前に出すことが多いですね。目利きについてはまだまだ消費者の認知は薄いかと思います。

片山
そうだね、海外にも業務用として出荷したり私が直接伺って炊飯教室や店頭で販売しにいく機会も多くて、海外の方がブレンド米に対しての反応は良いんですね。
「君がブレンドしているんであれば美味しいに違いない!」っておっしゃっていただいて、日本でも海外でも伝えることをとても大切にしながら商いをしています。

 

お店の歴史と昔の両国

 

伊藤
弊社のルーツが両国にありましたので、以前からそれについてもご連絡させていただいたりいたしました。色々とご協力いただいてありがとうございました。

片山
いえいえ、伊藤さんのお店はどれくらいまで両国にあったの?



隅田屋代表 片山真一さん 軽快なトークで色々とご説明をいただきました



大きい「米」の黄色いのれんが目印 清澄通り沿い

伊藤
昭和四十年頃まででしょうか。
隅田屋さんがこちらでご商売をされ始めたのはいつ頃くらいからでしょうか?

片山
明治三十八年(1905年)からだね、うちの初代が次男坊なんだけど浅草の米商が始まりでそこの歴史を含めるとかなり長いことお米の商売をさせてもらっているね。今の場所には戦後の区画整理の時にここに移ってきたんでね、元々はこの辺りも寺町だったんだよ。
大正十二年でしょう、じゃあねぇ、父も亡くなっていないんですけど、曾祖父さんだったら確実に繋がってたでしょうね。

伊藤
そうですか!自分の商いのルーツを知ることはものすごく大切だと思っているんですが、当時を知る方とお話できる機会がとても少ないので今回もご機会いただきとてもありがたいです。

片山
たぶん、この辺じゃないかな。(パソコンで昔の地図を探しながら)
横網のこの辺りは昔やっちゃ場だったよね。



昭和38年頃の両国横網町の航空写真



昭和30年頃の両国横網町の地図 ※当店は丸二海苔店と呼称していた

伊藤
長いことお店を続けられてきて色々と紆余曲折あったかと思いますが、一番大事なものってなんだと思いますか?

片山
そうだね、お米も海苔も一粒一粒に一枚一枚に「魚沼産」とか「有明海産」って書いてないわけじゃないですか。
だから”のれん信用”しかないんですよね、お店っていうのは。だから我々店主はのれんを磨くしかないわけで、100年以上やってきたお店っていうのは同じ土地でやって来れたっていうのはお客様の信用をいただいて商いを続けてこれたってわけだから、そこは頑張って継承していかなければいかないよね。

伊藤
まさにおっしゃる通りだと思います。当店の場合はのれんを守りながら、海苔の卸売商から加工から卸売・小売と商いの柄というかスタイルは変わっているんですが、頑張って海苔商を続けられればと思っております。

片山
そうですね、お互い自分の商いのカテゴリだけに関わらず色々なことを勉強すること。さっきの精米の話じゃないけど、なんでも「出来立て」「採れたて」がうまいってわけじゃないんだよね。色々世の中のことを見聞きして自分ののれんを磨きましょう。



隅田屋さんの店頭で記念写真をいたしました

 

次回part2へ続く

 

本日取材にご協力いただきました隅田屋さんの情報です

株式会社 隅田屋商店
東京都墨田区東駒形1-6-1
最寄駅 蔵前駅

店頭またはオンラインショップからお買い求めいただけます

 

美味しいお海苔といえば! 築地 伊藤海苔店

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