海苔の美味しい食べ方
海苔屋が薦めるおむすび海苔に使うベストなサイズ|創業100年の老舗海苔店四代目が教える 海苔の切り方はどうすればいいの?
㊁伊藤海苔店、四代目 信吾です。
おむすび(おにぎり)、手軽で簡単な日本のソウルフードですよね。
なんと、そのルーツは弥生時代だそう。
一般的にご飯に海苔が巻かれるようになったのは、東京湾の海苔養殖が盛んになった江戸時代後期からになります。
意外に知らない海苔の切り方について今回は綴っていきたいと思います。
目次
- 海苔の大きさ
- おむすび海苔に最適な切り方
- 海苔の良い切り方
海苔の大きさ
海苔は、海苔漁師の手によって作られる時に、全国で規格が決まっています。
縦21cm×横19cm
このサイズを全形(全型)と呼び、さらにこれを10枚束ねた単位を、1帖(じょう)と呼びます。
基本的にはお料理によって、海苔はカットされて使われることが多いですし、スーパーなどではもうすでにカットされている状態で販売されていることが大半ですよね。
そのため、この全形のカタチを知らない子どもも多い。小学校などに海苔出前講座で伺うことが多いのですが、海苔一枚のサイズを質問しても答えられる生徒は少ないですね。
弊社では、商品名の記載時に切り方と入枚数の数字を混同されてしまう場合があることから、
1)切り方 については 漢数字で 例:三切
2)入り枚数 については 数字で 例:30枚
と記載をしております。
切り方一覧
半切 (縦10.5cm×横19cm) おむすびや手巻き寿司・細巻・中巻に使われます
一般的に販売されているのはこの三種類になります。
・六切(縦3cm×横19cm) 軍艦寿司に使われます
・十字四切(縦10cm×横9cm) ミニ手巻きすしに使われます
・十字八切(縦5cm×横9cm) 味付海苔を含めた卓上タイプに使われます
これらの海苔は、当店の専用の海苔裁断機で裁断を行っております。電動モーターでカッター歯を高速で回して切りますので、薄い海苔を100枚束に重ねてもスパッと切れます。
おむすび海苔に最適な切り方
おむすび海苔には2つのサイズが適切です。
① ごはんが見えない=半切 全形の1/2サイズの海苔
② ごはんの横が見える=三切 全形の1/3サイズの海苔
どちらが良いかについては、本当に好みです。
個人的には、握ったおむすびに半切海苔を巻いて、海苔がパリパリのうちに食べるというのがおいしいおむすびの食べ方だと思います。どちらかというと手巻き寿司のようなイメージ。
しっかりとむすんだおむすびに海苔を巻いてサランラップで巻いて少し時間をおくと、おむすびのお米の水分で海苔がモチモチとします。それもおむすび海苔の美味しさを楽しむ一つの方法かと思います。
ちなみにお米のプロの隅田屋の片山さんはお米を美味しくという観点だと「サランラップに巻いて」の方がお米の咀嚼回数が増えるためお米の甘みが感じられるというお答えもいただいております。※こちらの読み物を参照されてください。(リンク)
お弁当などには、少ししっかりとした海苔をサランラップなどで巻いておくと海苔もモチっとして美味しくいただけますので、ぜひ試してみてください。
海苔の良いカットの仕方
って、たまに、聞かれることがあります。
これについては、「お好きなようにカットしてください」がお答えです。
(答えになってるかな?)
私は紙を半分に折るように手で折って切ってしまいます。
なぜかというと、ハサミで切る方もいらっしゃるかもしれませんが、食品用のハサミで丁寧に切っているうちにも海苔は空気中の水分を吸って少しずつ湿気てきてしまいますので、素早く切るのが良いでしょう。
どなたかをおもてなしされる時などにお使いになる。もしくは業務用で切り口が綺麗な御海苔が良い。という方には、元々カットされてある御海苔の方が良いかもしれません。前述いたしましたが、専用の海苔裁断機で綺麗にカットしていますから、切り口も綺麗です。
今回は海苔のサイズについて、お話いたしました。
ちょっと専門的なお話でしたが、海苔の豆知識としてぜひ覚えておいてくださいね。