海苔の美味しい食べ方
海苔の良い保存方法って冷蔵?冷凍? 創業100年の老舗海苔店四代目が教える海苔の良い保存方法とは
㊁伊藤海苔店、四代目 信吾です。
海苔の保存、本当によく聞かれますね。
築地で海苔屋さんを営んでいて、
「トイレってどこ?」と「美味しいお寿司屋さんってどこ?」の次によく聞かれる質問として
「海苔ってさ、湿気ちゃうんだけどどういうふうに保存したら良いの?」
ですね。
これ意外にも簡単で、当店ではさらっとお伝えしてしまうのですが、今回は取り扱いの中でどんなこと湿気(しっけ)ちゃう原因になるのかちょっと分析もしながら解説いたします。
海苔ってどういう食品なの?
海苔に含まれている水分量ってどれくらいか知っていますか?
乾海苔(ほしのり)、乾燥させただけで焼いていない海苔
この状態ですと、おおよそ6%くらいの水分が含まれています。
焼海苔(やきのり)、さらに乾海苔を二次乾燥させて200度近い釜で焙煎した海苔
この状態ですと、2%くらいまで水分量は落ちます。
開封した瞬間から湿気を吸いますので、海苔を食べるときは一枚一枚取り出した方がよいと思います
空気中には、たくさん水分が含まれていますから、ほんの数分袋から取り出して外に出しておいただけで乾燥しきっている海苔は水分を取り込んでいくことがわかりますよね。
豆類・パスタなど、一般的に乾燥食品と認識されている食品の水分含有率は10%前後ですので、いかに焼海苔は水分量が少なく空気中の水分を吸湿し湿気りやすい食品だと理解できるかと思います。
海苔はどうやって保存すれば良い?
では、一体どうやって海苔は保存すれば良いんだ?
ということなのですが、当店の答えは徹底して一つです。
「乾燥剤が入ったアルミパックに入れて、常温で保存してください。」
これが一番保存として効果的で効率が良いです。
当店の多くの商品は、アルミパックを使用しています。
そのまま封を開けなければ 360日(1年間)の賞味期限としています。
※プラ(PP)包装の場合、未開封270日(9ヶ月)を目安としております。
基本的には封を開けた後は基本的に早く召し上がっていただくことを推奨しております。
そこで問題はこの封を開けたあとなんですね。
どうやって保存したら良いかということになりますが、
基本的には
・冷蔵庫 にも入れない
・冷凍庫 にも入れない
・高温多湿と直射日光は避けること
を徹底された上で、
「乾燥剤が入ったアルミパックに入れて、常温で保存してください。」
とお伝えしているわけです。
各ご家庭の保存方法や保存場所にもよりますので、一概には言えませんがこれで90日から150日(3ヶ月から5ヶ月くらい)はパリパリの状態で保存することができるはずです。
おにぎりに巻いた時のご飯に触れていない部分、少し海苔がしっとり硬くなっていたら湿気はじめている
冷蔵庫に入れた方がいいって聞いたけど…
N◯Kさんのある、ためして的な番組にて、
「海苔は乾燥しているから冷蔵庫がに入れると良い」
と報道されたそうなんですね、消費者の方もなんだそうだったのか!と。
でも人間は良い部分だけ覚えているもので、報道してはいるものの記憶から重要な部分が抜けてしまっているみたいなんですね。
これは絶対に覚えてくださいね。
↓
冷蔵庫から取り出したあとは、常温に必ず戻してから開封してください。
なぜか?というと
冷蔵庫から取り出したばかりの御海苔はパッケージも海苔も冷たい状態になっています。冷蔵庫から取り出した冷たい飲み物を放置しておくと周りに水滴が付くことありますよね?
冷蔵庫の中で十分に冷えた飲み物で外のグラスや缶も十分に冷えていて周りに「結露」が起こります。空気中の水蒸気が冷やされて、水分になって現れるんですね。
冷蔵庫の中にビール瓶や缶も結露をおこしますよね 海苔の袋も同じ状態になると考えてください
それが海苔の袋でも起こります。
なので、冷蔵庫からパッケージを取り出しそのまますぐ開けると以下のよう現象が起こります。
1)冷たい状態から海苔のパッケージを出す、パッケージの外に結露。
2)冷たい状態でパッケージを開ける。パッケージの中も結露。
3)パッケージの中が結露した状態で、閉める。
4)結果、海苔に水分が含まれてしまう。
お分かりでしょうか?
特にこれを繰り返し繰り返し、冷蔵庫に保存し海苔を食べるたびに行っていた場合。中身の海苔は本当にかわいそう。ふにゃふにゃまではいかないものの、パリッとした歯切れは損なわれていると思います。
なので、当店ではわかりやすく。
「乾燥剤が入ったアルミパックに入れて、常温で保存してください。」(3回目)
と、冷蔵庫というキーワードを出さずにシンプルにお伝えいたします。
もし湿気てしまった場合はアオサ・お水・かつおぶし・醤油・お砂糖を加えて佃煮を作りましょう。
保存グッズはどこで買ったら良いの?
基本的にも前述の通り
当店販売商品の約70%のラインナップがアルミまたはアルミ蒸着素材を使ったパッケージとなっております。強力な石灰乾燥剤も封入しておりますので、開封後もそのまま常温でチャックをしっかり閉めて保存ください。
缶入の商品は開封後、なるべくお早めに消費いただくことをおすすめいたします。アルミパックと違い、空気を抜くことができないため、開けるたびに中の空気を入れ替えます。空気中の水蒸気を取り込みますので、湿気るスピードはアルミパックよりも早いと感じています。(※未開封の場合は缶入は最強です)
アルミは遮光性も優秀ですが、高温には強くはないので保管場所は直射日光と高温多湿を避けることができる暗所にて保存ください。
海苔保存専用のアルミパックは、当店ホームページ上でも販売しております。また強力石灰乾燥剤キングドライも販売しております。
乾燥剤はぺったんこの状態であればまだ吸湿していません。膨らんでいたら吸湿し、消石灰に変化していますので、すでに吸湿の効果はありませんので、乾燥剤として再利用はできません。
キングドライの乾燥剤の中身は石灰が入っています 水に濡れると発熱の危険がありますので水場には捨てないでくださいね
保存のコツいかがでしたでしょうか?
冷蔵庫・冷蔵庫で保存されていたお客様、ぜひ保存方法を見直されてみてください。